モデルの選び方 — 翻訳と理解で使い分ける
Playtoはいくつものモデルから選んで使えます。最初に身構える必要はありません。起動した環境に合わせて妥当な既定モデルが自動で選ばれるので、何も触らなくても動きます。この記事は、その先で「自分の好みに合わせて詰めたい」と思ったときの手引きです。
考え方はひとつだけ。モデルは性能の順位で選ぶのではなく、やらせたい「仕事」で選びます。
Playtoには2つの仕事がある
性質の違う2つの場面があります。
- プレイ中のリアルタイム翻訳 — 画面に出た文をその場で訳す。ここで効くのは軽さと速さです。ゲームと同時に動くので、重いモデルはゲーム本体のパフォーマンスを奪います。
- 深い学習 — 単語の意味、文法の解説、例文の生成。ここで効くのは賢さです。多少時間がかかっても、納得のいく説明が出るほうが価値があります。
同じモデルで両方こなしてもいいし、場面ごとに分けてもかまいません。分けられることを知っておくと選びやすくなります。
まずはこの3つが扱いやすい
現時点のPlaytoでは、次の3つがバランスよく使えます。迷ったらここから選べば大きく外しません。
- Hy-MT2 1.8B — 軽くて速い翻訳特化。プレイ中のリアルタイム翻訳に向く。
- Qwen3-VL-4B — 汎用モデル。翻訳に加えて意味や例文も出せて、CJK(日本語・中国語・韓国語)と相性がよい。
- Gemma 4 E2B — 同じく汎用モデルで、ラテン文字圏の言語になじみやすい。
名前の数字の意味
モデル名の数字は規模(パラメータ数)を表します。「B」は billion(10億)の略です。数字が大きいほど賢くなる傾向がありますが、その分だけ重く、遅く、メモリ(VRAM)も多く使います。小さいほど軽快に動きます。たとえば 1.8B は 4B より軽い代わりに、込み入った理解はやや苦手、という関係です。
Gemma の「E2B」の E は effective(実効)の意味です。新しい省メモリ設計で、実際の動作はおおよそ 2B 規模の軽さになる、と捉えておけば十分です。
プレイ中の翻訳には軽いモデル
リアルタイム翻訳には、軽くて速い翻訳特化のモデルが相性よく動きます。手元での体感では Hy-MT2 1.8B が軽さと速さのバランスでよく、プレイ中の常用に向いています。
ふたつ注意点があります。
- 言語ペアによっては訳が安定しないことがあります。そのときは後述の汎用モデルに切り替えてください。
- 翻訳特化のモデルは「訳す」専門です。単語の意味の詳細や例文までは出せません。プレイ中に語義を頻繁に呼び出したい人は、最初から汎用モデルを選ぶほうがスムーズです。
意味・文法・例文には汎用モデル
意味や文法、例文まで出したいときは汎用モデル(Qwen3-VL-4B や Gemma 4 E2B など)を選びます。これらは翻訳もこなしつつ、語義や解説も返せます。プレイ中に単語の詳細をよく開く使い方なら、こちらを軸にするとよいでしょう。
言語による向き不向きには、ゆるい傾向があります。CJK(日本語・中国語・韓国語)には Qwen 系、ラテン文字圏には Gemma 系がなじみやすい、というあたりが出発点です。ただしこれは目安で、最終的には実際に両方を試して、自分の遊ぶ言語としっくりくるほうを選ぶのがいちばん確実です。
軽いモデルで遊んでも、保存した語はあとから詳しくなる
ここで知っておくと選びやすくなる仕組みがあります。プレイ中に翻訳特化の軽いモデル(Hy-MT2 1.8B など)を使っていても、復習のために保存した単語の意味や文法を、その場で作る必要はありません。
セッションが終わると、Playtoは自動で汎用LLMに切り替えて、そのセッションで保存した語の意味や文法をまとめて生成します。ゲームを閉じたあと、つまり処理がゲームのパフォーマンスと取り合いにならないタイミングで行われます。設定の「単語帳補完」がこれを受け持っていて、Hy-MT2 や NMT のような翻訳特化モデルを使っている場合でも、補完のときだけ汎用LLMに切り替わります。既定の「自動」のままで問題ありません。
つまり、プレイ中は軽さ優先で気持ちよく遊び、復習用の詳しい情報はあとからきちんと揃う、という形にできます。なお、保存ではなくプレイ中にその場で語義を出したい場合は、これとは別で、汎用モデルを動かしておく必要があります。
NMT は低スペック時の備え
NMT は、マシンの性能がどうしても足りずローカルの大規模モデルを動かせないときの軽量な選択肢です。動かせる環境ならLLMのほうが訳は上なので、まずはLLMを検討してください。NMTは最後の砦として用意してある、という位置づけです。
まとめ:場面で使い分ける
迷ったら既定のままで大丈夫です。自分で詰めたいときは、この目安で十分です。
- プレイ中の翻訳は軽い Hy-MT2 1.8B。ゲームの動作を邪魔しない。
- 意味や例文まで欲しいなら汎用モデル。CJK は Qwen3-VL-4B、ラテン文字圏は Gemma 4 E2B が出発点。
- 保存した語の意味や文法はセッション後に自動で生成されるので、プレイ中は軽さを優先していい。
- 言語ペアで翻訳が安定しないと感じたら、別のモデルに替えてみる。
少し試して、しっくりくるものを残してください。
関連して、訳がどうも噛み合わないときの対処は 翻訳がしっくりこないとき にまとめています。