ノベルゲームを別言語で読む — ビジュアルノベルとOCRの相性

ノベルゲームを別言語で読む — ビジュアルノベルとOCRの相性

3分で読める

ビジュアルノベル (VN) や、テキスト中心のADV、サウンドノベル系は、画面OCR + 翻訳ツールが最も効きやすいジャンルです。

Playtoを開発していて「ほぼ100%読める」と感じるゲームは、たいていこのカテゴリでした。

なぜVNはOCRと相性がいいのか

VNでは3条件が綺麗に揃います。

テキスト表示中は画面が止まる (クリックやボタン送りでないとセリフが進まない)。テキスト位置が固定 (画面下のダイアログボックスにきれいに収まっている)。フォントが活字体 (UIフォントに装飾がほとんどない)。OCRにとって最も読み取りやすい条件です。

Playtoで言うと固定範囲 (Fixed Region) で十分カバーできるので、カーソル追従に頼らなくても安定して読めます。

設定のコツ

このジャンルで安定する設定はいくつかあります。

まずは固定範囲をダイアログボックスに合わせて1度だけ調整すること。VNはテキスト位置がほぼ動かないので、最初に枠を決めれば後は何もしなくていいです。

翻訳の表示位置は画面の上か外側にずらすのがおすすめ。日本語VNを読むとき、画面下のオリジナルテキストと翻訳が重なると逆に読みづらいので、Playtoのオーバーレイは別の場所に置いた方が読みやすくなります。

Glossaryに登場人物名と固有名詞を最初に登録しておくのも有効です。VNはキャラ名や世界観用語が大量に出るジャンルなので、ここを仕込んでおくと翻訳のブレが抑えられます。

何が読めて何が読めないか

ほとんどの場合は問題なく読めますが、苦手なケースもあります。

手書き風フォントのセリフ。心の声や回想シーンで装飾フォントを使う作品は、その部分だけ精度が落ちます。Playtoの画像認識モード (Image mode) に切り替えると改善するケースが多いです。

画面全体に文字が散りばめられた演出。文字が動く演出シーンは固定枠だと拾いきれません。これはその場面だけ手動でカーソル追従に切り替えるのが現実的です。

縦書き。日本語VNでまれに縦書きを使う作品があり、横書き前提のOCRが苦戦します。Playtoは縦書き対応も入っていますが、精度は横書きより落ちるのが正直なところです。

VNを語学のインプットに使うこと

VNは1作で数万から数十万単語のテキストに触れるので、語彙インプットの量としては相当なものです。実際、未訳の日本語VNを英語ネイティブの友人に勧めたことがあるのですが、「ストーリーが面白いから読み続けられる」というのが何より続く理由になっていたみたいです。

注意点として、VNのセリフは口語的でスラングや方言、独特の言い回しが多いです。教科書的な学習には向かないので、ある程度基礎ができていて、生きた表現に触れたい段階の人に向いていると思います。